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佐渡の昔と今

(財)二市北蒲原郡総合健康開発センター 永井 正樹

 『どっと笑うて立つ波風の荒き折ふし義経公は如何にしつらん弓取り落とししかも引潮矢よりも早く』とは『相川音頭』の一節である。「弓流し」とは,屋島の合戦の最中に,義経がうっかり自分の弓を取り落としてしまい,それが敵船の近くに流れていくのを,自分が小兵で弱い弓を使っていると平家方に悟られまいと,命を賭して取り返しにいったというエピソードである。

 新潟には『佐渡おけさ』と共に『相川音頭』がある。その相川には佐渡鉱山で働く労働者の慰安と繁栄を祈願して行われていた由緒ある鉱山祭りがある。以前は発見された7月の中頃であったが,現在は7月末に行われている。小さい子供から大人まで,おけさに合わせて練り歩く。

 ご存知のように佐渡の金山は有名であり,平成元年まで行っていた採掘は,現在は行っていない。採掘は江戸初期からのことで,それ以前は『鉄』であり,鉄探しの途中で『銀や金』を発見したとのこと。佐渡で人気の高いタダラ峰は山頂の池の名前から「ドンデン山」と呼ばれているが,山中から平安時代のタタラ遺跡も発見されているという。

 室町時代には能楽の祖である世阿弥が佐渡に流されていることと,後の金山奉行大久保長安の影響もあって,謡曲や能が現在でも引き継がれている。また,各地に能楽堂がたくさん残っていて,文化の吹き溜まったというより歴史と伝統・文化の息づいている処といえるだろう。鬼太鼓なども有名で,集落によってさまざまな形態を持つ。朱鷺だけではなく,世界的に有名な鼓童の本拠地でもあり,海の幸も豊富でスキンダイビングのポイントもある。

 機会を見つけて一度は佐渡に来いっちゃ。

(会報JAMT 2005年 6月号掲載)



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