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無形文化遺産

(財)二市北蒲原郡総合健康開発センター 永井 正樹

 「北から南からお国自慢」は,今回からお祭りシリーズから世界遺産シリーズに模様変えをする。

 自然遺産,文化遺産は多くあるが,無形文化遺産について少し説明すると,後世に伝えるべき伝統芸能や民族文化などで,ユネスコ(国連教育科学文化機関)が選定している。1998年に規約が採択され,人類の口承及び無形遺産の傑作として2001年5月に能楽,続いて2003年11月に人形浄瑠璃が指定された。今後,歌舞伎を申請予定とのこと。

 無形遺産の傑作は世界遺産の無形文化財版ともいわれ,2年に一度の選考で,「人類共通の宝」という栄誉を担うそうだ。日本語の美しさ,先人の文章のうまさに改めて感心させられる。また密やかな,しかも醒めた緊張に身を潜めることは,人間を実感し,人間を振り返るひとつの大きな手掛りともいえるのではなかろうか。

 能楽は,中世の田楽能の系統に繋がるものといわれ,天下泰平,國土安寧を祈念して舞う神事芸にあたる猿楽を観阿弥・世阿弥が集大成し,当時の将軍足利家の庇護を受けて発達した。その後も各大名家の保護を受けて江戸末期まで続いた。明治になって大名家がなくなると一時廃れたが,関係者の努力の結果,現在に至っている。民間信仰や民族芸能から生まれた能は,すぐれた芸術形式に成長し多くの芸術に影響を与えている。人形浄瑠璃文楽は,三味線の伴奏で太夫が義太夫節を語り,それに合わせて人形をあつかう演劇である。近松門左衛門がその基礎を作り現在に至っているが,一次分裂して1960年代になって再統一され,文楽協会が設立された。

(会報JAMT 2005年 7月号掲載)



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