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世界文化遺産「世界遺産に出逢う旅」

沖縄県立中部病院 饒平名 長令

 2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」9件が世界遺産として登録された。「グスク」とは「城」を指す言葉で,今回登録された5つのグスクと4つの関連史跡の中でも首里城はその中心的な存在である。琉球王国時代からの首里城は国宝指定を受けていたが,戦時中その地下に日本軍司令部があったため,米軍によって完膚なきまでに攻撃され壊滅してしまった。現在の首里城は1992年に復元されたもので,その首里城にまつわる史話を1つご紹介したい。

 1953年に琉球政府が発行した2枚の切手には「ぺルリ来琉百年記念」と銘打たれている。ペリー(=ペルリ)は日本に開港を迫る前,琉球を補給兵站基地として利用していた。それを物語る1枚が那覇港に寄港中の黒船であり,もう1枚は首里城を強引に訪問した際のスケッチである。

 日米和親条約締結後,再びペリーは琉球に立ち寄り琉米修好条約を結んでいるが,もし日本の開港に失敗した場合には,琉球か小笠原または台湾の占領を意図していたと言われている。その時の「琉米修好条約締結書」はペリー訪問の証として,現在首里城に展示されている。

 先の2000年九州沖縄サミットで首里城は各国首脳の晩餐会場となり,新たな歴史を刻んだ。皆さんも学校の歴史教科書では教えてもらえない,新しい歴史発見の旅に沖縄を訪れてみませんか。

(会報JAMT 2005年10月号掲載)



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