NCCLSガイドライン
=静脈穿刺による標準的採血法=
H3−A3(Vol.18 No.7)改訂版
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厚生労働省通知(薬食安第1117001号)
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禁忌・禁止事項
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操 作 方 法
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1) 適切な注射針をホルダーにしっかりと固定させる。 |
2) 採血管が室温温度に戻らないうちに採血を行わないこと。(採血管の温度変化により採血管内の圧力が変化し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流する おそれがある。) |
1) 室温温度になった採血管を準備すること。 |
2) 使用する前に採血管を指ではじいて添加剤がキャップ部分や採血管の壁からはがれるようにする。滅菌された採血管を用いること血液培養の場合には、ゴム部分を適切な消毒剤で消毒する。ゴム部分が乾いていることを確認してから静脈穿刺を行う。 |
3) 採血管をホルダーに挿入し、注射針に接触させ、適切な位置に来るようにする。適切な位置を越えて採血管を挿入してはならない採血管の陰圧がなくなってしまうことがあるからである。採血管はわずかに引っ込む、この位置のままにする。 |
4) 患者の腕や他の穿刺部位が下向きであることを確認する。逆流を防ぐためである。 |
5) 患者の腕をしっかりとつかむ。採血担当者の親指で患者の皮膚を引っ張る。これにより静脈が伸びる。親指で穿刺部位の1〜2インチ(2.5〜5.0cm)下を引っ張る。 |
6) 注射針の開口部を上向きにして、針を静脈と平行にし、静脈を穿刺する。ホルダーのふちをしっかりと持って、採血管を入れ、注射針の尻側の先端部が採血管のゴム部分を貫通するまで押す。注射針が静脈内にある間は採血管が穿刺部位より下にあるような位置を保つ。 |
7) 血液が流れはじめたらすぐに駆血帯をはずす。採血管は注射針から抜くまで、位置を変えてはならない。採血を行っている間、採血管の内容物がキャップ部分に接触してはならない。血液が採血管内で行ったり来たりすると、静脈に逆流し、患者に有害反応を起こすことがある。 |
1)駆血帯を装着した状態で採血管をホルダーに挿入しないこと。(駆血帯を装着した状態で採血を開始し、採血後採血管を挿入した状態で駆血帯を外した場合、静脈血圧が急激に低下し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。) |
2) 採血針を穿刺したら、採血管を装着する前に駆血帯を外すこと。
3) 採血管はホルダーにまっすぐ完全に押し込むこと。 |
8) 採血管の先端部(注射針の方向に)に弱い一定の力をかけ続けるようにする。止めバルブが働いて採血管内への血流が止まることを防ぐためである。採血が終了するまで採血管に加える力を変えてはならない。 |
3) 採血針を抜くまで、被採血者の腕の血管を圧迫したり、動かしたりしないこと。(圧迫を解除した際、あるいは腕の配置によっては静脈血圧が急激に低下し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。) 4) 採血管に血液が流入し始めた後は、採血ホルダーに押し込むような力を採血管に加えないこと。(採血管内の圧力が変化し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。)
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9) 採血管内の陰圧がなくなって血流が止まるまで血液を満たすこと。これによって抗凝固剤と血液の比がちょうどよくなる。採血管が一杯にならないのが正常である。 |
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10) 血流が止まったら、採血管をホルダーから抜くこと。止めバルブが働き、次の採血管が挿入されるまで血液は流れない。何本も採血管に採血する場合は、最後の採血管で採血してから注射針を腕から抜く。 |
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4) 採血の血流が停止したら、直ちに採血管を採血ホルダーから外すこと。 5) 連続採血する場合には、ホルダーを固定したまま、採血管を取り替えること。
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5) 体外循環回路又は中心静脈から採血は 行わないこと。(圧力の変動により、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。) |
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重要な基本的注意事項
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1) 患者の腕、穿刺部位及び採血管が採血中常に下向きであることを確認すること。
2) 翼付針チューブを使用して採血する際は、採血管の位置が上下に動かないようにすること。 |